緊急!ダンスミーティングin神戸②

つづき。

この会の開催をツイッターで知り、参加したいと思い予約をしたものの、開催2〜3日前頃にメールで送られてきた全体スケジュールをみて、正直ビビっていた。

一方的に話を聞いたり全体でトークする程度かと思っていたら、参加者全員が自己紹介をしたり、グループディスカッションでがっつり話をする時間がとられている(!)

わたしはダンスについては全くの門外漢なので当事者として話はできないし、この会に集まるメンバーの中でかなり異質だという意識があったから、参加するのはやめようかと思ったくらいだったけれど、終わってみての感想は、門外漢だからこそ参加してよかったということに尽きる。

参加者の半数はアーティスト・もしくはアーティスト寄りの方だった印象だけど、ストリートダンスの方がいたり、ダンスを用いたセラピーを行なっている方がいたり、学生さんがいたりと、初開催としては思ったよりいろんなバックグラウンドの方が集まった印象。


残念ながら開始時間を30分遅れて認識してしまっていたので、先に行われた東京での報告はほぼ聞けずじまい(神戸分も含めて、後日報告があるはず)。


何より感動したことは、ダンスボックス主催の国内ダンス留学の卒業生が何名か参加されていたこと。もっと来たらいいのに、なんて言われてはいたけれど、1名でも2名でも、意識があってこのような場に来る方がいるというのは主催者冥利に尽きるのではないでしょうか。

卒業生のうち一人が、ダンスボックスのことを「自分にとって大切な場所」とおっしゃられたことにじーんとした。


前置きが長くなってしまったが、結論から言うと、事態は切迫しているということ、そして、商業的に盤石な基盤のない業界(舞台芸術だけでなく)はどこも同じ話をしているということ。


はっきりとは言わなかったけれど、JCDN代表の佐東さんは今回の助成金不採択の事態を受けて、コンテンポラリーダンス業界で早急に統括団体をつくる必要があると感じているという印象を受けた。

全体のとしては統括団体をつくるのは時期尚早、あるいは統括団体は必要がないという意見が大勢だと感じたけれど、それはダンスを主な収入源にしていない人や、自身の基盤がまだ脅かされていない人…のように思う。その傾向は演劇に置き換えてもあまり変わりはないだろう。

「統括団体は必要ないのでは」「統括団体をつくる目的が見えない」「統括団体をつくらずとも収入を増やす道はある」という意見が出たけれど、統括団体をつくる目的は「国家単位の助成に通ること/コンテンポラリーダンス業界全体を支援すること」、そして喫緊に、「ダンスや舞踊といった既存の統括団体と肩を並べる」ために必要なのではないかとわたしは思う。


福祉や学校でのワークショップや文化庁以外の省庁の助成金を取得するという活路があるのではという話は出たが、それは単に延命にしか過ぎなくて、もっと根本的な課題に取り組んでいかなければまた同じ話題を繰り返すことになると思うのだ。

根本的な課題とは何かと問われると答えに窮するけれど、「生活の中で文化芸術に親しむ環境」をこの国でつくる(つまりその環境がいまはない)、ということがわたしの考える根本的な課題。

商業とは違うと言いながら食べていくために必要な収入源を探し、広げていくという意見に関して、本心としては葛藤を感じる。

収入をあげるということは大切なのだけれど、収入をあげても、文化芸術への関心が広がらないのであれば本末転倒なのではないか。

収入と環境については、卵が先かにわとりが先か、白か黒か、YESかNOか、二項対立では決してなく両立できる話だとは思うけれど。


ただ、佐東さん自身も危惧しているように、①既存の統括団体が形骸化していること/②既存の統括団体がその役割を果たせているのかどうか/③新たな統括団体をつくっても時が経てば形骸化してまた繰り返すだけなのではないか、そういう問題はまた別にある。

(③についてはこれは当然ありうることで、決して悪いことではないとは思う。新陳代謝は当然ある。①の既存の統括団体が形骸化しているという事態については若干心当たりもあるので何とも言えないけれど、構成員の意識によって回避できる課題であるとも思う。ただ、統括団体はその進展とともに利益偏重の集団になりやすい傾向にはある。)


最終的にはゆるいネットワークとしてこのような会を不定期に持ち、勉強会を重ねていくということで結論となったが、佐東さんの歯切れの悪さが気になった。先に述べたように、おそらく佐東さんとしては統括団体、もしくはそれに準ずる団体が早急に必要だという思いがあって、しかしこの場でそれは多数とはならなかった。JCDNとして統括団体をつくりますと言えない(それほどJCDNとしては切迫した問題、組織の体力が疲弊しているのか)事情がありそうだと感じた。


なんとなく歯切れの悪さを感じる会でもあったけれど、コンテンポラリーダンス界隈ではこういう集まりがいままでなかったみたいで、こういう会が持てたこと事態をよかったと受け止めている参加者が多そうだったのはとてもよいことだったと思う。

(一応、わたしのベースにある児童・青少年演劇や演劇界隈ではこのような会はすでにあるし、コンテンポラリー業界よりは一歩進んでいるかなという実感があるので)


ただ全てに言いたいことは、みんな似たようなことで悩んでいるんだから、組織や業界の壁を取っ払ってもっとチャンプルーして話せないのかなということ。

それから、この会のはじまりがはじまりだけに仕方ないのかもしれないけれど、経済的自立の道として、文化庁以外の省庁からの助成金を探るとか学校や福祉現場でのWSといった意見がポロポロ出たことについて、「観る」ことはさほど重要視されていないのかなということを疑問に思ってしまった。

演劇も体験型WSは盛んだけれど、「観る」ということがまず根底にあると思っているし、「観る」経験を大切にしたい、してほしいという気持ちがある。

アーティスト側が体験型WSの方に引き寄せられていくことは、大局的にみると危ういことではないか。


(このあと、③で当日出た意見をまとめたいけど、すごく時間がかかると思う。このブログを書くだけでも半日かかってとても疲れた……)


◎帰宅してから、JCDN代表の佐東さんがその活動を振り返る記事をセゾン文化財団発行のview point(2013年)に寄稿されていたのを見つけて読んだ。

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www.saison.or.jp

↑ ※文字化けしているけれど、リンクは生きてます※ ↑


JCDN主催の「踊りに行くぜ! !」はとても好きで、何が好きかって、「踊りに行くぜ! !」という名前。

舞台芸術はどうしても”(観に)来てください”ということが多いのだけど、これは、「踊りに行くぜ! !」って力強く発するところが好き。

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