緊急!ダンスミーティングin神戸①

JCDN(ジャパン・コンテンポラリー・ダンス・ネットワーク)の「緊急!ダンスミーティングin神戸」に参加してきました。

この会が開かれたそもそもの発端は、JCDNが、文化庁による「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」の採択から2年連続外れたというもの。

記事中には、”前身の時代も含め、15年連続で選ばれてきたが、昨年度も今年度も不採択に。佐東代表は「我々のように小規模でやってきたところが淘汰され、商業的に成立するものだけを文化として残そうとしているのでは」”と紹介されている。


この採択については、選定する有識者会議のメンバーに偏りがあるだとか、申請書評価の不透明性といった問題が指摘されている。

記事によると、”舞踊部門は、一昨年度までは7~11団体が対象。バレエや舞踏とともに、コンテンポラリーダンスも2団体選ばれていた。ところが昨年度、対象が1団体に減った。さらに今年度は予算が絞られ、舞踊部門での採択自体が全体で5団体に。対象はバレエ、モダンダンス、舞踏の各団体のみとなり、コンテンポラリーダンスは入らなかった”とのこと。


▽朝日新聞記事はこちら ※会員登録しないと全文読めません。

コンテンポラリーダンスの内部事情は知らないが、この提言があってしばらくして、今度は演劇業界で、山の手事情社が”存亡の危機”として自ら支援をよびかけるという事態となった。

山の手事情社も、今年度、劇団主催事業において国や自治体からの助成申請が一切採択されず、さらに、海外公演も全て自費で調達しなければならないというかなり苦しい状況に陥っているそうだ。


▽山の手事情社の声明

ここでひとつはっきりさせておきたいことは、助成金というものは「助成する側」と「助成される側」の対等な関係によるものであって、助成される側が助成する側によりかかるものではないということ。

今回のミーティングでも意見が出たが、よく、「助成金に頼らない自立の道を」ということが言われるのだけれど、「助成金に頼る」という認識の誤りを訂正していきたい。

まして国の助成事業の申請はそう簡単に書けるものではなく、書類を揃えるために各団体並々ならぬ時間を割いている。

国(助成を出す側)がその申請書を読み、検討し、そして助成先を決定しているのだから、本来は対等な関係なはずなのだ。まして、税金を使って”国の文化政策事業”として助成事業を行なっているのだから、助成を出す側が偉いなんていうことは全くない(しいていえば、主権者たる国民ひとりひとりには助成金の使途について意見する権利はある)。


さらに言うと、助成事業というものは、国として文化政策もちゃんとやってますよというアリバイ作りに近いものがあると個人的には思っている。

今回のJCDNや山の手事情社のように、助成が通らなかったら即死(あるいは瀕死)、という自転車操業で活動を続けている芸術団体は数知れず、かゆいところに手が届かないというか、助成の該当項目や助成自体の在り方について多くの疑問があるからだ。

まして、ほかの省庁は知らないが、いまの文化庁の助成は文化庁と芸術団体の間に委託会社を置いているので、なんかもう流れ作業。申請書によっぽどの不備があったり、助成金を不正使用している等の問題がないかぎりはベルトコンベアー状態で事業が進んでいて、国としての文化政策がどうなのだという異論が挟まれる余地もない。

とは言えノブレス・オブリージュで、お金は出しても口は出すなの原則を考えればそれも一長一短(ただ、助成の使途について不明瞭であったり不都合は多々あるので、それらは現場からの意見を聞いて少しずつでも修正していってほしいけれど)。


前置きが長くなってしまったので、「緊急!ダンスミーティングin神戸」で話されたことは別の記事に書くことにします。

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